炭素十全性クレームに関するVCMIのガイダンスを読み解く
当社は最近、「自主的炭素市場イニシアチブ」とこれが企業に及ぼすインパクトを分析するブログを発表しました。11月、VCMIは新たなガイダンスを発表しました。これは自主的炭素市場における信用性への対応を目指す、新たな手段一式を紹介するものです。これらのイニシアチブは、カーボンクレジットの利用における透明性・一貫性・十全性を強化するように設計され、企業が自社のカーボンオフセットの取り組みに関するクレーム(主張)を作成するための、より分かりやすい枠組みを提供します。 これらの新たな手段と、それらがカーボンクレジット購入者に及ぼす影響を詳しく見てみましょう。
We recently published a blog breaking down the Voluntary Carbon Markets Initiative and what impact this has on businesses. In November, the VCMI published new guidance that introduces a new set of measures aimed at addressing credibility in the voluntary carbon market. These initiatives are designed to enhance transparency, consistency, and integrity in the use of carbon credits, providing companies with a clearer framework for making claims about their carbon offset efforts. Let’s take a closer look at these new measures and how they will affect carbon credit buyers.
「炭素十全性クレーム」と改称された「VCMIクレーム」には、固有のロゴと、利用企業のためのブランド戦略ガイドラインがあります
「炭素十全性クレーム」はシルバー、ゴールド、プラチナという階層に分類されます。科学と一致する排出量削減にとどまらず、企業が高品質なオフセット策の利用を通じて目指す目標の程度を表します。この階層には具体的な基準値があり、プラチナは最も野心的で、企業の残存排出量の100%以上に相当する高品質なカーボンクレジットを購入・除却する必要があります。基準値が引き下げられたため、クレームを作成して自主的炭素市場に参加する機会を、より多くの企業に提供できます。
さらに、シルバーとゴールドのクレームを行うために必要なカーボンクレジットの最少数量も引き下げられました。「国際航空のCO2排出削減枠組み(CORSIA)」に適格なクレジットという選択肢は引き続き有効で、特に、具体的な活動のタイプや方法論が「国際炭素自主的市場(ICVCM)」の査定を受けていない場合に当てはまります。また、CORSIAの適格性や「コアカーボン原則(CCPs)」の承認とは関係なく、既存の契約で明記されたカーボンクレジットを2026年1月まで利用できる柔軟性が企業に認められています。鍵になる条件は、ICVCM CCPに合致するクレジット適正評価手続きをどのように受けたのかを、企業が一般開示しなくてはならない、ということです。注意すべき点は、クレジットがこの選択肢に適格だと認められるためには、既存の契約を通じて取得されなければならない、ということです。
「モニタリング・報告・保証(MRA)枠組み」が発表されたので、企業はVCMIクレーム(主張)を行えるようになりました。
MRAの枠組みは測定基準・要件・基準の包括的なセットで、企業が自社の「炭素十全性クレーム」を裏づけるために利用できます。この枠組みは、企業がクレームを行うためにはどんな情報を、どのように、いつ、どこに提出する必要があるのかを知らせるとともに、認められる保証の基準や、使用されるコンピテンシーに関する助言も提供します。これを捕捉するため、デジタルの「VCMIクレーム報告プラットフォーム」が立ち上げられました。企業はVCMIの要件を満たしていることを証明するエビデンスを、このプラットフォームで提出できます。
企業が「VCMIクレーム」を行うための要件は、脱炭素化の野心を維持しつつ、より柔軟でアクセスしやすいものになっています。
更新された VCMIのガイドラインは、「科学に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi)」に一致する、科学に基づく短期的目標を独自に設定することを、企業に義務づけるのをやめています。その代わりに、科学と一致する「同等の」目標で十分だと見なされます。同等性の具体的な定義は、2024年にVCMIが決定する予定です。
VCMI クレームを行うための4ステップのプロセスの一環として、脱炭素化目標に向けた進捗状況を披露することが企業に要求されます。最近のVCMI の更新情報を見ると、一般開示要件が簡素化され、リストに記載された全てのポイントではなく、各カテゴリーにつき少なくとも1個の測定基準について報告を行うことを企業に要求しています。
さらに、企業は進捗状況の自己査定を実施して、温室効果ガス(GHG)の排出量削減を報告しなくてはなりません。これは基準年のGHG合計排出量に対するパーセンテージで表します。また達成または未達成の短期的排出量削減目標の進捗に対する説明も、提示する必要があります。
VCMIは、企業の短期目標の達成が順調か否かを確かめるための取り組みを追加する必要がまだあることを認識しています。特に、スコープ1、2、3排出量の間での目標の分割に関して、それが必要だと考えています。
「スコープ3柔軟性クレーム」は企業が実際の排出量とスコープ3目標のギャップを埋める支援をします
VCMI は「スコープ3柔軟性クレーム」のベータ版を導入しました。これは企業が高品質なカーボンクレジットを通じてスコープ3排出量の責任を負う支援をすることを目指す、実用的なステップです。もう企業が科学に基づく短期目標だけに縛られることはありません。現在は科学に一致する「同等の」目標も、許容可能になっています。
このクレームは2024年第3四半期までに最終化されるものと予想され、スコープ3とのギャップを埋めるという課題にクレジットを用いて対処します。しかしながら、カーボンクレジットは「現実的で、検証済みの温室効果ガス(GHG)の削減と除去を表し、堅牢な環境・社会のセーフガードを適用しなくてはならない」とのことです。VCMIのガイダンスは、それらは企業によって、脱炭素化の代わりではなく、脱炭素化に加えて、ネットゼロへの移行の一環として利用されなくてはならず、関連するクレームは信用できるものでなくてはならない、と述べています。
Market recovery and trust building
The recent VCMI guidance, and other initiatives like it, are seen as essential for restoring trust and confidence in carbon markets. It provides businesses with a ready-to-use framework, enhancing their ability to engage in credible and impactful carbon offset activities while navigating the evolving landscape of environmental responsibility.
It also represents a significant milestone for businesses navigating the complexities of carbon markets. Businesses now have a well-defined pathway to making high-integrity claims about their use of carbon credits, they have more flexibility and transparency in showcasing their commitment to science-aligned emissions reductions, and now have a practical solution for addressing Scope 3 emissions through high-quality carbon credits.
As companies embark on making VCMI Claims, the streamlined public disclosure requirements and more accessible guidelines ensure a balanced approach, allowing businesses to demonstrate progress while maintaining ambition in their decarbonization journey.
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